氷を抜けない理由|水流苑まち(つるぞの・まち)|note
喫茶店に入ってマスカットジャスミンティーを頼む。 「ホットとアイスどちらにされますか」と訊ねられる。 アイスで、と答えたあとに、少し迷って「氷を抜いてもらってもいいですか」とお願いした。 「氷を、ですか」 白いフリルブラウスと黒のスカートに身を包んだ店員が、目を丸くして戸惑った表情を見せた。 「あ、無理なら大丈夫です」 喫茶店の飲み物は氷でかさ増ししている、という裏話を思い出して申し訳なくなる。 「グラスの中の氷を抜く感じでよろしいでしょうか」 「あ、はい。お願いします」 グラスの中以外どこに氷が入るのだろう、と不思議に思いながら、とりあえずオーダーが通ったことにほっとした
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